思い出の曲
あれは忘れもしない。もう14年前の事だけど、あなたは一枚のCDを「いい曲だよ~。」と言って、僕に貸してくれたね。僕はそれをカセットテープにダビングしたまま、まともに聞く事もせずに時が流れてしまい、あなたと出会うことはそれ以来なくなってしまったんだ。
そのカセットテープをちゃんと聞いたのは1年後。僕がくじけそうになった時だった。何気に思い出して聞いてみたら、あの時は何とも感じなかったのに、心に染み込む音色と感動が僕を突き抜けていったんだ。そう、それは僕がリチャード・クレイダーマンに出会った時のような感動に似ていた。
カセットテープにダビングしたそのアルバムを必死になって探したんだ。タイトルもわからず、誰の曲なのかも知らない。そしてやっと見つけたんだ。すごくすごく苦労したんだ。
あなたと一緒に聞きたかった。
そう思ったら、すごく後悔したんだ。あの時、ちゃんと聞いていたら、まだ好きで居られたのかなって思ったら、涙が溢れそうになったんだ。
だから、くじけそうな時は、今でもこの曲を聞いたりするんだよ。あなたが教えてくれたこの曲は、ずっとずっと一生、僕の心に残ったまま。それくらい僕には大事なんだ。どんな曲が好き?と言われたら、きっとこの曲を挙げるだろう。
ケニーGの「Going Home」を。



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